013:ピストル



Side.SANJI


バッカじゃねえの?

喧嘩なんか日常茶飯事で、てめぇ、刀持ち出すこともあるじゃねえか。

峰打ちだからってホンキで打ち込んできやがるし。

人が愛を囁いてもよぉ、胡散臭げに、もとから悪い目つきを更に凶悪にして睨むしよぉ。

こんなにお前のこと愛しちゃってる俺を、無下にするしさ。

何、俺って嫌われてる?とか本気で心配しちゃったりして。



…なのになんで、こんな時に、思い知らされなきゃいけねェんだよ。

てめぇも、満更じゃなかったんだろ?ってさ。



剣士がよぉ、コック庇って、銃弾に倒れてんじゃねえよ……っ!!





Side.ZORO


初めは、アタマぶつけたのかと思った。

だっておかしいだろ?あの女好きが、俺に好きだのなんだのと言って構い倒すのは。

そのうち、呆れが強くなった。

よくもまぁ、飽きずにちょっかいかけて来るもんだ。



気づいたら、体が勝手に動いてた。

あんな銃弾、あいつなら、うまくかわせたかもしれない。

けど、なんかイヤだったんだ。

腹に熱を感じながら、ふと思った。

ああ、いつの間にか、絆されてたのかもな。

あいつの必死な顔を見て、悪くないと、そう思った。








きっかけのお話。
ゾロは鈍いと思う。
自分でも気付かないうちに、サンジくんに魅かれてるんだよ、きっと。