014:黒
「へぇ、めずらしいな。お前がじじくせぇ白シャツに腹巻じゃねぇなんて」
「てめぇが言ったんだろ。たまには違う服も着てみやがれって」
「まぁそうだけどよ。……ふぅん、黒も似合うな。全身真っ黒ってのがちっと勿体ねぇけどな」
「わざと真っ黒にしてみたんだよ」
「なんで?」
「ふん、言わねェ」
「いいじゃねぇか、教えろよ」
「イヤだ」
「教えろって。教えろ教えろ教えろ教えろ〜!」
「だーーー!うるせぇな!てめぇとおんなじ理由だよっ!」
「何だよおんなじって!女の子にモテたいとか言うんじゃねぇだろうな!?」
「はっ!それこそてめぇじゃあるまいし!」
「じゃあ何だってんだよ!」
「……怒んなよ。テメェ人のこと言えねぇんだからな」
「それは聞いてから決める」
「なら言わねェ」
「わーったよ!怒らねえから聞かせろ!」
「……血の色が、目立たねぇだろ」
「……………」
「んな顔すんなよ」
「……別に怒ってねぇだろ」
「泣きそうな顔すんな」
「うるせぇ馬鹿」
「テメェの真似しただけだ」
「んなトコ真似すんな!お前は堂々と血まみれになってろよっ!」
「じゃあテメェも隠すんじゃねぇよ」
「隠してなんか……っ痛ェえええええ!!」
「ほれみろ」
「つつくな!刀で!!」
「隠すなよ。どうせバレんだから」
「痛ェ!てめっ……傷口広げる気かあ!!」
「俺が気付かないとでも思ったか馬鹿め」
「やめろっ!わかったからどけぇえええ!!」
「………ふんっ」
「ぜぇ……ぜぇ……、……あの、もしかして……怒ってる?」
「………………」
「ゾロ……?」
「……………すんげェ、怒ってる」
「………ゴメン」
「隠すな。俺には見せろ。んで、黒いのばっかり着てんじゃねェ」
「……うん、ごめんね」
「……………ヘラヘラ笑ってんじゃねぇよ、気持ち悪ィ」
「えへへ、ごめんってば」
特にオチも何もないのですが…。
ゾロはちゃんとサンジくんを見てるんだよというお話…?(聞くな)
2人とも必死に怪我を隠すけど、結局すぐにバレちゃうんだよ。
相手の怪我に気付かなかった時とかは密かにヘコんでたりするんだよきっと。