033:表裏一体
Side.SANJI
「あっ、……ぅあっ!」
ゾロの苦痛の喘ぎに、俺は口元を歪める。
酷く抱かれることを望んだのは、お前だからな。
時々、お前を壊したくなるよ。
決まって、お前を遠く感じた時だ。
引き寄せて、抱き締めて、閉じ込めて、俺だけのモノにしたいよ。
誰にも見せずに、俺だけの魔獣を飼うんだ。
ゾクゾクするね。
ほら、傷口を広げられながら、ケツの穴も広げられるのが好きなんだろ?
塞がりかけた傷からまた血が流れると、生きてる気がするんだろ?
痛みで、己を繋ぎとめてるんだろ?
いくらでも手伝ってやるよ、お前がそう望むなら。
俺のブツをお前のナカに入れて、焼け切れそうな熱をわけてやるよ。
狭いソコを無理矢理抉じ開けて、狂い死ぬまで突き上げてやるよ。
痛いだろ?
気持ちいいだろ?
もう俺なしじゃ、生きられねぇんじゃねえの?
手酷くお前を扱う時、俺の全身を快感が貫く。
苦痛を伴う、最高に刺激的な快感さ。
なぁ、もうお前なしじゃ生きられねえよ。
これがきっと、アイってやつだぜ。
なあゾロ。
アイシテルぜ。
Side.ZORO
「なあゾロ。アイシテルぜ」
そんなサンジの言葉が、俺の耳を掠めた。
それは甘い刃となって、俺の体の真ん中を上から下まで突き刺した。
甘い刃の持ち主は、ガツガツと腰を突き上げ、容赦なく傷口を広げていく。
そう望んだのは俺。
全身にある傷という傷から血を流し、内部にも新たな傷が出来上がる。
それがこいつにもたらされたものだと思うだけで、すべてが快感に繋がった。
快感だけを得ることに苦痛を感じ、己を傷つけるように乞い、痛みを感じて安心し、また快感が生まれる。
無限のループに、俺は狂ってしまいそうになる。
傷を抉られ、ケツを抉られ、何度も何度も熱い熱いモノがぶち込まれる。
俺が動けなくなるまで、指一本動かせなくなるまで、痛めつけてくれ。
俺をここに、繋ぎとめてくれ。
もっと。
もっと。
もっと。
もっと俺に、お前のアイを植え付けてくれよ。
お前が俺を貫くたびに、俺はそれを感じられるんだ。
お前が俺に傷をつけるたび、俺はお前を感じるんだ。
足りない。足りない。足りない。
もっと、お前のホトバシル熱をくれよ。
なあ。
アイを、くれよ。
お前と、繋がっていたいからさ。
なんだかわからない、ぐちゃぐちゃした狂気って、人間の中にあると思う。
何が表裏一体って、愛と憎しみとか、正と負とか、感情はコインの表裏、みたいな。
愛してるが故に傷つけたくなる人間の不可思議な精神構造。
あれ、タイトルに対するこじつけじゃないよ…?