後悔



わかっているのだろう

―――ああ

お前の両手は血にまみれている

―――自分で、選んだ道だ

数えきれない程の人間をその手にかけた

―――後悔は、していない

殺した人間の数だけ、その恨みが取り憑いている

―――覚悟の上だ

そのお前が、人を愛する資格を有しているとでも?

―――………………

愛されることが許されるとでも?

―――………………

求められる愛に応えられるとでも?

―――………………

愚昧だ

―――……わかっている

お前にその資格はない

―――……わかっている!

ならば何故求める

―――………………

強くなるには不要の物だ

―――……違う

その様なものは強さの妨げにしかなるまい

―――……それは違う

また、大切なものを失う恐怖を味わうことになる

―――………………

ならば初めから、その様なものを持たぬことだ

―――……それでも、俺は捨てない

すべてを捨ててきたお前が、か?

―――守り抜いてみせる

戦うことしか知らぬお前に、か?

―――二度と失わない…!

無駄な足掻きだ

―――もう、無かった頃には戻れない

後悔するぞ

―――得られずに後悔するならば、俺は、手に入れたことを後悔したい







―――今を後悔する生き方を、俺はしたくないから

























ゾロは強いけど、揺れる時だってきっとあると思う。
揺れるけど、きっと這い上がって来れるとも思う。
そんな、不安定だけど前を見続けるゾロのことを、サンジは好きになったんだと思う。
となりに並んで歩ける存在。そんなふたりが好きです。