災難の猫
「クソコック、てめェの仕業かっ!!」
「いいじゃん〜似合ってるぜ!」
「ふざけんな!戻せ!」
「あ、戻し方知らねぇや」
「〜〜〜〜〜っ、ざけんなぁああああ!!」
晴れ渡る青空、輝く太陽、賑やかな港町、メリーの甲板で戯れる二人の男。
……否、ひとりと一匹。
ひとりの金髪コックと、黒い耳と黒い尻尾を生やした緑髪の剣士。
怒声と笑い声が響きわたる、のどかな昼下がりだった。
「うっそ〜何それ、ゾロったらかわいい〜!」
「おおぉ!すげぇ、本物かこれ!?」
「ああああ〜ゾロ!?体平気か!?どこも痛くねぇか!?」
「黒猫は不吉だっていう迷信もあるみたいよ」
「おおおいロビン、そんなに楽しそうに言うなよ!」
島に着いた一行が買い出しに行き、遅めの昼食をとるために船に戻ってきての第一声がこれだった。
実に楽しそうに逃げ回るサンジと、なぜか頭に猫耳、お尻に尻尾をつけたゾロ。
新しい遊びかしらとナミは首をかしげたが、ゾロの暴れ具合を見ると、おもちゃを身につけているようには見えなかった。
それならさっさと外してしまうだろうから。
と、ゾロが床を蹴って跳躍する。空中で一回転し、まるで猫のように音もなくサンジの前に降り立つ。
尻尾を大きく膨らませ、眼はぎらぎらと輝き、今にもサンジを射殺さんとしていた。
「おっ、さすが猫」
「……っ、コロスっ!」
腕を振り上げるがサンジにかわされ、チッと舌打ちする。
再び飛びかかろうとしたところで、がつんと頭に衝撃が走る。
「はいスト〜〜ップ!」
ナミの拳骨で喧嘩を止められたのだと理解し、二人はおとなしくなる。
無視して喧嘩を続けると、より痛い目を見ることはわかりきっていた。そのような事態は既に経験済みだ。
「いちゃいちゃするのはいいんだけど、コレ、どういうこと?」
「誰もいちゃいちゃなんてしてねぇ!」
「そう思ってんのはアンタだけよ。で?何したの?サンジくん」
ゾロの言い分はいつも通りさらりと無視し、顔の筋肉が緩みまくっているサンジを問い詰める。
彼が犯人だと断定した物言いだが、サンジは否定しなかった。その通りだからである。
「いや〜昼飯の買い出しに行った店で、おもしろいものがあるって勧められてさ〜」
大量の食材を買ってくれたお礼だと言って、一見普通に見える飴玉をおまけとしてくれた。
店主曰く、「もうすぐハロウィンだからね」だそうだ。
「この島では、盛大にハロウィンパーティーが催されるらしいわ」
「町中カボチャだらけだったものね。仮装してる人もたくさんいたし」
「ハロウィンと飴と、何の関係があるのかわからなかったんだけど、クソ剣士なら丈夫だし食わせても平気かなと」
「俺は実験台か!」
で、食べたらわさわさと耳と尻尾が生えてしまったわけだ。
「黒猫と言えば、ハロウィンの定番だしね」
「一種の娯楽かしらね。町に出た時に聞いてみようかしら」
「なぁ、さっきのゾロ、動きも猫みたいだったけどさ、ゾロは猫になっちまったのか?」
「う〜ん、どうなのかしら。ちゃんと言葉を話すし自我もあるみたいだし…」
「一応、船医さんに調べてもらったらどうかしら?」
「もちろんだ!ゾロ、ほら座れ!」
「ここで診るのかよ!」
「あ〜チョッパー、昼飯が先だ。腹減っただろ?」
わいわいと騒ぎつつ皆ゾロの格好をおもしろがり、ゾロだけが不貞腐れた顔をしていた。
どうやらゾロには、猫の特性が付加されたらしい。
例えば動き。元々しなやかな動きも見せるゾロだが、柔軟性と瞬発力が増し、まさに猫のような動きをする。
嗅覚や聴覚も優れている。今までは気付かなかった少しの音も聞き取れるようになったらしい。
尻尾に至っては言わずもがな、感情をそれで表現している。
しかも、人間としてのゾロの能力は一切失われていないというのだから、
「そのままの姿の方が強くなれるんじゃね?」というサンジの言葉に、思わず閉口した。
だが、こんな姿のまま大剣豪になろうとは思わないし、猫の手など借りずとも大剣豪になってやると新たに誓い、サンジの言葉を一蹴した。
問題は元に戻る方法だったが、ナミとロビンが、また町に出た時に調べてきてくれるということだ。
増えるであろう借金も心配だったが、今は戻ることが先決だ。
「くそっ、こんな姿じゃ散歩にも行けねェ」
「いいじゃねぇか。皆出掛けたわけだし、2人で楽しもうぜ」
サンジは楽しくて仕方なかった。
はじめは、ゾロの猫耳装備があまりにも似合わなかったため大爆笑したのだが、見慣れてくると考えが変わった。
(やばい、可愛い…)
顔を真っ赤にしたり拗ねた表情を見せた時、「なんだそれは!」と叫びたくなるほど可愛かったのだ。
時々動きも猫のようになるし。
これでヤったらまずいだろうか、さすがに変態だと怒られるだろうか。
でも、こうやって言葉を交わしているだけでこんなに可愛いのだ。乱れたらどんなに色っぽいだろうか。
案外ゾロも楽しめるんじゃないだろうか、やはり、ここでヤらねば男が廃る!
などと妖しげな考えがサンジの脳を支配していた。
サンジは、計画的犯行を試みた。ゾロを、啼かせてやる。
ゾロにとってはまったくもって迷惑な話だが、ゾロは少なからず動揺していたようで、サンジの妖しい気配を見逃してしまっていた。
「お前、何だその格好」
「ん?魔女?」
サンジは黒い布を纏って、食後のお茶を楽しんでいたゾロの元へやってきた。
本当に一枚の長い布を肩からかけているだけなのだが、下の方はギザギザに切ってあった。
「何で魔女なんだ?」
「それはあとで教えてあげる」
サンジの笑顔に、あまり知りたくないかも…とゾロは思った。
まだ猫の感覚に慣れないのか、
様々な音に耳が反応し、ついきょろきょろとあたりを見回してしまう。
「ゾロ〜」
「ん?」
サンジが、まさに猫なで声でゾロを呼ぶ。振り向いたゾロの鼻先に植物を突き付けた。
「っ、なんだよ」
「ん〜実験?」
「はぁ?」
ゾロはサンジの行動を疑問に感じつつ、つい目の前にある植物に顔を近づけ、くんくんとにおいをかぐ。
「なーんか、ホントに動物みたい」
くすくすと笑いながらゾロの髪を撫でる。
すると、ゾロはびくんと体を震わせ、反射的に立ち上がる。
なぜだかわからないが、サンジと距離を取らなければならない気がした。本能的に。
「あ?」
なんだか心臓がバクバクいってる。覚えのある感覚が背筋を這いあがる。
「なんだ、これ……」
動揺を隠せない様子で、服の胸元をぎゅっと握りしめる。
「どうした?」
サンジが笑顔で問う。わざとらしい、爽やかな笑みだった。
「……ソレ、何だ」
ゾロはサンジが手に持っている植物を睨みつける。
サンジは植物を振りながら、楽しそうに答える。
「マタタビ」
「ホントに効くんだな〜お前、マジで猫なのな」
本当に、心底嬉しそうに、サンジはゾロに笑いかける。
こんな状況下でなければ、ゾロが好きなサンジの笑顔だ。だが、今は決して素直に喜べない。
むしろ、絶望的な気分だった。
「マタタビってさ、雄猫にとっては媚薬みたいなモンらしいぜ?これ、猫の性質その1」
ぽいっと植物を後ろに投げ、サンジはゾロに近づく。
サンジが一歩進むと、ゾロは一歩後退する。しかし、数歩下がると壁に阻まれ、それ以上サンジと距離をあけることはかなわなかった。
「楽しもうぜ、ゾロ」
ゾロはガラにもなく、恐怖を感じた。
サンジは己の口でゾロのそれに吸いつき、何度も角度を変えて味わう。
同時に手はゾロの体を這いまわり、尻尾に行き着いた。
さわさわとその感触を楽しみ、撫で上げる。
尻尾の根元に触れると、ゾロは体を震わせた。
「猫の性質その2。ココ、性感帯」
「あっ…!」
ゾロは抵抗しようと腕を伸ばす。
「ダ〜メ。おとなしくしなさい」
ところが、サンジの言葉に力が抜け、結局サンジに縋る格好になる。
「ふ〜ん、本当みたいだな。気持ちいい?」
抵抗できないのをいいことに、サンジは同じ所ばかり責める。
ゾロはくすぐったいようなもどかしいような刺激に腰を揺らす。
膝ががくがくと揺れ、立つこともままならない状態に追いやられる。
ずるずると崩れ落ちるとサンジもしゃがみ込み、ゾロの服に手をかける。
一枚一枚丁寧に剥いでいき、全てを取り払った。
「ゾロ、四つん這いになって」
誰がなるか、とサンジを睨みつけようとするが、思いに反して体はサンジの言う通りに動いてしまう。
抵抗しようとするものの、それは無駄に終わった。これで本当の獣の格好だ。
断わっておくが、サンジが強制的に手足を動かしたわけではない。
なぜかゾロの体は、サンジの言葉を拒否できなかった。
「あ……何で……?」
されるがままのゾロに、サンジは妖しい視線を送る。
「何でって、俺が魔女だから」
「は?……あっ」
つ…とゾロの背を撫で、声を引き出す。
「知ってる?黒猫は、魔女の使い魔なんだぜ」
慈しむ様に何度も撫で、そのたびにゾロは甘い声を上げる。
「つまりお前は、俺に逆らえないってわけだ」
「なっ……」
「たっぷり可愛がってやるぜ、使い魔さん」
「っ!!」
サンジの言葉に抗えないものを感じ、ゾロは緑髪から覗く猫の耳を伏せ、尻尾を足に絡ませた。
「すげぇな、この尻尾。ホントに生えてるんだな」
相変わらず尻尾の付け根に触れながら、関心したように呟く。
「あっ、そこ、やめろっ…!」
「恐がるなって。猫の性質その3。猫は怯えると、尻尾を足に巻きつける」
ゾロはサンジの言葉に、全身が真っ赤になる。
普段は感情を表に出さないタイプだからこそ(実際はそうでもないが、本人はそうだと思い込んでいる)、
動作一つで感情を見抜かれることに羞恥を覚えた。
ましてや、サンジに対して怯えるなど、普段のゾロにはあってはならないことだった。
「ほら、もっと気持ちよくしてやるからさ」
そう言うと、サンジは己の指をゾロの口に押し込んだ。
「舐めて?」
ゾロはそれに逆らうことができず、サンジの指に舌を這わせた。
サンジは嬲るように指を動かし、充分に濡らすと引き抜き、ゾロの秘部へと宛がった。
少しずつ広げるように周りをほぐし、つぷっと中指を浅く差し込む。
「あっ!」
そのままゆっくりと、傷つけないように内部に侵入する。
ゾロの中はとても熱かった。
「あっ、あっ、………ふぁ……あぁん……」
魅惑的な喘ぎに、サンジ自身も熱くなりはじめる。
しかし、今日は楽しむと決めたのだ。挿れるのは、まだまだ先。
「すげぇ熱い…ゾロ、気持ちいいだろ?」
うつむき、ぎゅっと目を閉じてはいるが、コクコクと首を縦に振る。
サンジの愛撫により、怯えは快感にかき消されていく。
聴覚が優れているため、聞きたくない音まで鮮明に拾ってしまう。
自らの秘部がたてるくちゅくちゅという音に、耳からも犯される気分になる。
己が感じているのだと、嫌でも思い知らされた。
「ほら、二本目」
サンジは、ゾロの羞恥心を煽るようにわざと言葉を使う。
今ならゾロは抵抗できない。サンジの言葉のままに動き、従う。
こんな楽しい機会を逃してなるものかと、サンジは変態精神全開だった。
二本の指を揃えて、ゾロの中を味わう。クッと指を曲げると、ゾロはそのたびに喘ぎ声を上げた。
尻尾の根元を弄ることも忘れない。
己の指が、ゾロの中と同じ体温になっても、そこがほぐれていく感触を楽しんだ。
サンジの目の前で、黒い尻尾がフルフルと震える。
まだ怯えているのだろうかという考えが頭を掠めたが、すぐに訂正する。
感じているはずだ。だってこんなに、色っぽい声で鳴くのだから。
「ゾロ、にゃあって言ってみ?」
とんでもないことをサンジは言い出した。
ゾロは、誰がそんなこと言うもんかと首を激しく振って否定する。
声を上げれば言ってしまいそうで、必死になって唇を噛んだ。
「ほら、可愛い声で鳴いてごらん」
サンジは尻尾を弄っていた手をゾロの顎にやり、するりと撫でる。
と同時に、後ろを突いている手の動きを激しくした。
「にゃあぁぁあ!」
ゾワゾワっと全身を快感が走り抜ける。それと共に思わず発した言葉に、ゾロは顔を真っ赤に染めた。
「あ…っ」
「ゾロ……お前、いやらしすぎ……」
自分で言ったくせに、思いのほか腰にキたゾロの喘ぎに、サンジは思わずイってしまうところだった。
サンジもかなりキているが、ゾロ自身もまだ一度も触れられていないにも関わらず、既に勃ち上がり、先走りを滴らせていた。
溢れ出る感触をリアルに感じ取り、それがまた己の羞恥を掻き立てる。
後ろも、指などでは足りなかった。
「なぁ、ゾロ……俺、すげぇこと思いついちゃった……」
「あ?」
半ば呆然としていたゾロは、肩越しにサンジを振り返った。
サンジは、毛並みを整えるかのように尻尾を撫で、口づける。
その仕草がなんだかくすぐったく、ゾロは肩を竦めた。
と、突然感じた刺激に、ビクンと全身を震わせる。サンジの、後ろを弄っていた指が、今まで触れなかったゾロ自身に伸びたのだ。
しかしそれは、愛撫というより蜜を掬いあがる動きを見せた。
その蜜を、サンジはゾロの尻尾の先端に塗りつけた。
掬っては塗りつける行為を何度も繰り返す。
「なっ……何、を……?」
ゾロは、はっきりと動揺した。
頭をよぎった考えを全力で否定した。
まさか。さすがのサンジも、そこまでやらないだろう。
しかし、頭の中では警告が鳴り響く。
こ・い・つ・な・ら、や・り・か・ね・な・い!
「やめろっサンジ!離せっ!」
ゾロは焦った。いつになく焦った。
何だかんだと、結局はサンジの行動を容認することが多かったが、これはダメだ。絶対に嫌だ。
やっていいことと悪いことがあるだろう!と叫びたい。
だが、この抵抗も、無駄に終わってしまった。
「おとなしくしろ」
サンジの言葉に、ゾロの動きがぴたりと止まる。
抗えない。
絶望的な気分を味わう。
「大丈夫、絶対気持ちいいから」
そういう問題じゃない!と叫びたい。
恥ずかしくて狂い死にそうだ。死んだら化けて出てやる。
混乱の極みの中、それは開始された。
サンジがゾロの尻尾を、ゾロの秘部へとあてがい、ゆっくりと挿入をはじめた。
「やあぁぁぁぁあああ!!」
己のもので濡れたそれは、当然サンジ程の太さはなく、容易く奥へと入り込んでいく。
まるで自分に犯されているような感覚に、ゾロは悲鳴を上げた。
挿れている感覚と、挿れられている感覚を同時に味わう。
それは、ゾロを狂わせるには充分な効果だった。
「いやっ、サンジっ、いやだぁっ……!」
腕は支える力を失い、肘を折って額を床に擦りつける。腰だけを高く上げた格好になった。
羞恥と屈辱がぐちゃぐちゃになってゾロを苛むが、そこには確かに快感もあった。
「大丈夫だから、ゾロ。ほら、動かしてごらん」
優れた聴覚をもつ耳元で、サンジは囁く。まるで悪魔の囁きだ。今は魔女だから、大差はない。
その言葉に抗う術は、ゾロにはなかった。
いやだいやだと繰り返しながら、否応なしにゾロは抜き差しを開始した。
「あ…っ、ゃぁ……はっ、はっ……あぁ……ぁあん!」
ずちゅ、ぐちゅっといやらしい音をたてる。
その音はゾロをおかしくさせ、いつの間にか快感を追いはじめた。
ギリギリまで引き抜いては、奥まで挿し入れる。
長い尻尾は、普段は到達しない内部まで届き、未知の感覚をゾロに与えた。
時には中に留まって尻尾を動かし、自らのイイところを探り当てようとしている。
前立腺を見つけると、何度も何度もそこばかり突きあげる。
思いのままに動かし、快感を得るその姿は、まさしく淫獣という名に相応しかった。
「ゾロ……ひとりで楽しんじゃって。そんなにイイ?」
「あっイイっ……はあん!イイっ、サンジっ!ああん!」
ゾロ自身、何を口走っているのか既にわかっていなかった。
動物は、欲望に忠実である。ゾロは、今己に備わっているその動物の欲望に従った。
「口、開けて。これ咥えて」
サンジは、ゾロの痴態にとうとう我慢できず、立派すぎるほどに育った自身をゾロの口元に持って行く。
ゾロはトロンとした欲望に染まった眼をサンジに向け、上半身を起こしてすんなりとそれを口に咥えた。
後ろで動く尻尾も、動きは緩やかになったが、中に挿し込まれたままだ。
必死で奉仕する獣のゾロに、サンジはイケナイ気分になる。
いや、すでになっているのだが、見る角度がいけないのだろうか、非常にゾロがイヤラシイ。
唾液とサンジの先走りが口の端から流れ落ち、それでもゾロは愛撫をやめない。
「うっ、ゾロ、もういい」
思わず果てそうになったが、どうせ出すならゾロの後ろのお口がいいなどと思い、行為をやめさせる。
「ゾロ、挿れるからね……」
尻尾を引き抜き、充分にほぐれた蕾にあてがう。
つぷっと先端を挿し入れ、少し進めたところで止める。
敢えて一番苦しいところで止め、少しだけ腰を揺らす。
一度引き抜き、また少しだけ挿れる、という行為を何度か繰り返す。
「あっ、サン……やめ……」
「ん?何で?好きなんでしょ?ココ」
出し入れを繰り返し、何度もゾロの蕾の扉を開閉させる。
もっとも、完全に閉じてしまうことはなく、もっともっとと常にヒクヒクしているが。
「あっ、焦らすなっ!」
「じゃあ、おねだりしてごらん?」
「あ…?」
「ほら、どんな言葉で俺を誘ってくれるのかな?」
どこまでも意地悪にサンジは笑う。
けれど、ゾロは限界だった。欲しくてたまらない。
今度は抵抗もせず、サンジの望む通りの言葉を発した。
「サンジの、おっきいの、あ…っ、ココに、挿れてっ!……あぅっ、ちょうだい…っ!はやくぅ!」
腰を揺らしながら懇願するゾロの姿に、サンジの理性が吹っ飛んだ。
今まで我慢に我慢を重ねてきた反動だった。
ゾロの言葉が終ると同時に勢いよく突き入た。
「あああぁぁぁああ!!」
「っくぅ……!」
たったのひと突きで、サンジはゾロの中で射精してしまった。
同じくゾロも、突然の衝撃に扱かれてもいないのに吐き出した。
だが、たった一度果てただけでは2人とも収まらなかった。
サンジはすぐに動きを再開し、自分の出したもので滑らかになったゾロの中を、何度も何度も突き上げる。
「やぁっ、激しっ、まだ、待って……ひぁあ!」
果てたばかりで敏感な体に、激しい突き上げは過ぎる快感だった。
尻尾とは比べ物にならない程の質量に、ゾロは喘ぎ続けるしかない。
一度吐き出したゾロ自身はすでに大きさを取り戻し、更なる快感を得ようと自らの手を伸ばす。
サンジの動きに合わせて激しく扱き出す。体は燃えるように熱く、下半身は今にも爆発しそうだった。
「ゾロっ、ゾロっ、いくぞっ!」
「あぁ!サンジ、サンジぃ!」
「ゾロ、くっ、ゾロっ!」
「あっ、あっ、あっ……や、サンジっ!……………っ、あああああああ!!」
「うぁっ!」
ズン、と奥まで押し込んだ拍子に、ゾロは全身を震わせた。
引きちぎられるかと思うほどの締め付けで、サンジも再びゾロの中で果てた。
ビクン、ビクンと体を震わせ、荒い息の中、二人はその場に崩れ落ちた。
「3日経てば、自然に戻るらしいわよ」
とはナミの言である。
調べてくれたのはありがたいが、3日はこのままかよ…と、青空を眺めながらゾロは溜息を吐く。
サンジは夕食を作るためキッチンに籠っている。
はっきり言って、サンジとまともに顔を合わせられない。
正気に戻った今、先程までの行為を思い出すだけで、恥ずかしいわ悔しいわで暴れ出したくなる。
あの時の自分はおかしかった。確実に、理性が吹っ飛んでいた。
すべてはサンジのせいだ、あいつがあんなもの食わせたから…と、今さらブツブツ言っても仕方がない。
サンジの声が聞こえる。メシができたらしい。
ゾロは、だるい腰を庇いながらも立ち上がった。
絶対に、仕返ししてやる。
そんなことを考えながら、尻尾をぴんと立てて、ゾロは歩きだした。
サンジが貰い受けた飴はひとつではなかったということを、ゾロが知るのはもう少し先の話…。
本気で裏ページ作らなくていいのかと自問自答なお話ですね(苦笑)。
苦手な方もいらっしゃるでしょうが、好きな方もいらっしゃるのでしょう…か?(笑)
好みのわかれる話かなぁ。
すんげぇエロエロ話を書きたかったので、個人的には満足です!
ゾロ、またサンジくんに騙されて飴食べちゃうんだろうな〜。
サンジくんに食べさせてもおもしろいかも…?